金魚はいなくても
そもそもの話で誠に恐縮ですが、数寄屋造りの数寄屋とは茶室を意味します。虚飾しないで、内面を磨き客をもてなす茶人の意から造られているそうです。
今回ご紹介する画像は「蹲(つくばい)」です。私事で誠に僭越且つ恐縮ではありますが、祖父母の家にあった猫の額ほどの庭にもありました。確か、遊びに行くと金魚が泳いでいたのが蹲だったと記憶しています。
日本庭園の添景物のひとつで、茶庭におかれるものです。茶室に入る前に手を清める目的で、手水鉢に役石をおいて趣を加えたものです。手を洗うときに「しゃがむ=つくばう」から云われるようになったそうです。日本の伝統的文化を重んじ継承する当館には、あってしかるべき大切なものです。
亡き祖父母は、何を思い金魚を泳がせていたのか。今となっては、謎のひとつとなってしまいました。G.H.